手術 / 実績

肩の疾患専門の診療科です。

板橋杉並肩関節センター『肩藩』では、注射やリハビリを行っても、動きが良くならない場合に、医療連携している病院で手術を行います。
肩関節疾患の手術には、関節鏡視下手術、人工肩関節置換術などがあります。

関節鏡視下手術

関節鏡視下手術とは、腱板断裂や反復性肩関節脱臼などに対して、小さな切開口から関節鏡(かんせつきょう)という細いカメラを関節内に挿入し、モニターで内部を観察しながら治療を行う手術方法です。
関節鏡手術では、数カ所(4~6カ所)皮膚を小切開(5mm~1cm)し、関節鏡や様々な手術器具を用いて損傷した組織を修復します。
元来、肩の手術は大きく皮膚を切開して施行されていましたが、関節鏡視下手術は、従来の開放手術と比べて傷が小さく、回復が早いのが特徴です。

関節鏡視下手術が適応される主な肩の疾患
  • 腱板断裂
  • 反復性肩関節脱臼
  • 石灰沈着性腱板炎
  • 変形性肩関節症

など

関節鏡視下手術のメリット
  • 傷口が小さく、体への負担が少ない(切開は数mm程度)
  • 術後の痛みが少ない
  • 回復が早く、リハビリを早期に開始できる
  • 関節内部を細かく観察でき、精密な治療が可能

人工肩関節置換術

人工肩関節置換術とは、変形や損傷によって機能が低下した肩関節を人工関節に置き換える手術です。
変形性肩関節症や腱板断裂による関節の重度な変性など、保存療法や他の手術で改善しない場合に適応されます。
人工関節にも様々な種類がありますが、症例に応じて最良の選択をさせていただきます。

人工肩関節置換術が適応される主な肩の疾患
  • 腱板断裂
  • 変形性肩関節症

など

人工肩関節置換術のメリット
  • 痛みが大幅に軽減
  • 肩の可動域が改善(特にリバース型で顕著)
  • 関節の安定性が向上し、日常生活が楽になる

人工肩関節置換術とリバース型人工肩関節置換術の違い

現在も行われている全人工肩関節置換術は、変形性肩関節症や関節リウマチなどによって肩の関節が破壊され痛みを伴う場合に、損傷している部分を取り除き人工関節に置き換える手術です。ただし、腱板断裂がなく、腱板が機能していることが適応条件です。
一方、腱板が広範囲に断裂している腱板断裂性肩関節症に対しては、リバース型(反転型)の人工関節が適応となります。
従来の全人工肩関節置換術で使用される人工関節は、肩の解剖に似て、上腕骨側は丸みを帯びた形で受け皿となる肩甲骨側の関節窩(かんせつか)側はくぼんだ形状です。
しかし、リバース型人工関節は、上腕骨側と受け皿の構造が反対になっているためにリバース型(反転型)と呼ばれています。
通常、腕を挙げる場合は、腱板の力と三角筋の力が必要になるのですが、構造を反転させたリバース型人工関節では腱板が断裂していても三角筋の力のみで腕を挙げられます。
そのため高齢者で腱板修復不能な関節症例に使用できます。

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